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夏のエアコンの電気代、気になる方も多いのではないでしょうか。
「出かけるたびに消したほうが節約になるの?」
「30分くらいなら、つけっぱなしのほうが安いって本当?」
こんな疑問を持ったことがある方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、エアコンは「つけっぱなし」と「こまめにOFF」のどちらか一方が正解というわけではありません。
外の気温や外出時間によって、使い分けるのが一番効率的です。
実際に行われた実験データを見ると、その理由がよく分かります。

エアコンは、運転中ずっと同じ量の電気を使っているわけではありません。
特に電力を多く使うのが、運転を始めてから部屋が設定温度に近づくまでの時間です。
たとえば、室温が32℃まで上がった部屋で冷房を26℃に設定すると、エアコンは一気に部屋を冷やそうとします。
このとき、室外機にあるコンプレッサーが強く働くため、消費電力も大きくなります。
一方、いったん部屋が26〜28℃程度まで冷えると、あとはその温度を維持すればよいため、運転開始直後ほど大きな電力を必要としません。
パナソニックも、室温が高い状態からエアコンを運転すると急速に部屋を冷やすため多くの電力が必要になり、適温になった後は比較的少ない消費電力で室温を維持できると説明しています。
つまり、
「電気代がもったいないから」と10分、20分おきに電源を切る
↓
すぐ暑くなる
↓
またエアコンをつける
という使い方を繰り返すと、そのたびにエアコンが頑張って部屋を冷やすことになります。
これが「こまめに消せば必ず節約になる」とは限らない理由なのです。

では、実際にはどのくらいの時間なら、つけっぱなしにしたほうがよいのでしょうか。
ダイキン工業が2016年8月に大阪市内のマンションで行った実験があります。
冷房を26℃・風量自動に設定し、
・エアコンをつけっぱなしにする部屋
・30分ごとに電源を入り切りする部屋
に分けて、消費電力量を比較しました。
その結果、気温の高い日中9時〜18時では、30分間エアコンを切るよりも、つけっぱなしにしたほうが消費電力量が少なくなりました。
さらに実験データをもとに計算すると、今回の条件では日中は約35分までの外出なら、つけっぱなしのほうが有利になるという結果が出ています。
「コンビニに行く」
「近所へ買い物に行く」
「子どもの送り迎えをする」
この程度の短い外出なら、真夏の日中にわざわざエアコンを切らないほうが、結果的に消費電力を抑えられる場合があるということです。
ここで注意したいのが、
「それなら夏はずっとつけっぱなしでいいんだ」
とはならないことです。
同じダイキンの実験では、実際の生活を想定して、買い物や外食中にエアコンをOFFにする場合と、ずっとつけっぱなしにする場合も比較しています。
すると1日の消費電力量は、
つけっぱなし:5.7kWh
外出時にOFF:4.4kWh
となり、長めの外出時には電源を切ったほうが消費電力量を抑えられました。
当時の電気料金単価27円/kWhで計算すると、1日あたり約35.1円の差です。
この実験では、11時〜12時の1時間の買い物や、18時〜20時の2時間の外食などが設定されていました。
つまり、
「短時間ならつけっぱなし」
「長時間いないならOFF」
という使い分けが現実的です。

面白いのが、昼と夜でも結果が違った点です。
先ほどの実験では、日中9時〜18時は約35分までなら、つけっぱなしが有利になると計算されました。
ところが18時〜23時では、その目安が約18分まで短くなっています。
理由は外気温です。
真夏の日中は外が非常に暑いため、一度エアコンを止めると室温が上がりやすくなります。
その状態から再び冷やすには、大きなエネルギーが必要です。
夜になって外気温が下がれば、日中ほど急激に室温が上昇しにくくなります。
そのため、同じ30分の外出でも、
真昼ならつけっぱなし
涼しくなった夜ならOFF
という判断になる場合があります。
窓を開けて換気するとき、「冷気が逃げてもったいない」とエアコンを消していませんか?
実は数分程度の換気なら、エアコンを動かしたままのほうが効率的な場合があります。
ダイキンが2020年に行った実験では、真夏の日中に30分に1回、5分間の窓開け換気を実施しました。
換気のたびにエアコンをON・OFFした場合の消費電力量は7.51kWh。
一方、エアコンをつけたまま換気した場合は5.82kWhでした。
当時の料金単価で計算すると、つけっぱなしのほうが1日約45.7円安いという結果です。
短時間の換気で毎回電源を切ると、換気後に暖まった部屋を再び冷やすため、かえって電力を使ってしまうケースがあるわけです。

ここまでの実験結果を普段の生活に当てはめるなら、難しく考える必要はありません。
真夏の日中なら、
30分程度までの外出
→ つけっぱなしを検討
1時間以上の外出
→ OFFを検討
夜や外が比較的涼しい時間帯
→ 短い外出でもOFFを検討
数分程度の換気
→ 基本的にはつけたまま
このあたりを目安にすると分かりやすいでしょう。
ただ、これは絶対的なルールではありません。
エアコンの機種、部屋の広さ、住宅の断熱性能、日当たり、外気温などによって結果は変わります。
パナソニックのシミュレーションでも、30分程度の外出では外気温が36〜37℃ほどになると、つけっぱなしのほうが有利になるケースが示されています。
「30分」という数字だけを見るのではなく、「今日は外がかなり暑いかどうか」も一緒に考えるのがポイントです。
エアコンの電気代というと、つけたり消したりすることばかり気にしがちですが、実はほかにも簡単にできる節電方法があります。
フィルターにホコリがたまると、エアコンが空気を吸い込みにくくなります。
環境省は2週間に1回程度のフィルター掃除を推奨しており、フィルターを清潔にすることで冷房時の消費電力を約4%削減できるとしています。
毎週掃除する必要はありません。
「月に2回くらいエアコンのフィルターを見る」と覚えておくだけでも十分です。
夏の部屋を暑くする大きな原因のひとつが、窓から入ってくる日差しです。
外出するときにカーテンを閉めておくだけでも、室温の上昇を抑えやすくなります。
特に西日が入る部屋では効果を感じやすいでしょう。
環境省も、昼間の外出時にはカーテンを閉めて窓から入る熱を防ぐ方法を紹介しています。
冷たい空気は下にたまりやすいため、部屋の場所によって温度差が生まれることがあります。
そんなときは設定温度をどんどん下げるより、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるほうが効率的です。
「エアコンは26℃なのに暑い」
という場合も、冷房能力が足りないとは限りません。
まず部屋の空気を動かしてみるのもひとつの方法です。
よく「エアコンは28℃に設定しましょう」と聞きますが、少し誤解されやすい部分です。
環境省が目安としているのは、エアコンの設定温度ではなく「室温28℃」です。
たとえば設定温度を28℃にしても、日当たりや部屋の広さによって室温が30℃近くになることがあります。
反対に、設定27℃でも実際の室温が快適な範囲に収まるケースもあるでしょう。
数字だけにこだわらず、「実際の室温」と「自分が快適に過ごせるか」を見ながら調整することが大切です。
暑さを我慢して体調を崩してしまっては、節電どころではありません。

エアコンは「つけっぱなしのほうが安い」「こまめに消したほうが安い」のどちらか一方が正しいわけではありません。
実験データを見ると、真夏の日中は30分程度の短い外出なら、つけっぱなしのほうが消費電力を抑えられる場合があります。
一方、1時間、2時間と家を空けるなら、電源を切ったほうが節約につながりやすくなります。
迷ったときは、
「すぐ戻るならそのまま」
「しばらく帰らないなら消す」
くらいの感覚で十分です。
さらに、フィルター掃除やカーテン、サーキュレーターなどを組み合わせれば、快適さを大きく損なわずに電気代を抑えられます。
外出時間やその日の暑さを見ながらエアコンを上手に使い分けて、電気代を抑えつつ暑い夏を快適に乗り切りましょう!

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